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今日は70代男性のレッスンだった。
彼は、とても良いテノールな声を持っている。
合唱経験が長くあり、
とても重宝されていたそうだ。
それはそうだろう。
その大きな、良い声は、
人数の少なめな合唱団男性の中で、
ありがたがられ、
おそらく、ちょっと鼻が高かったろうと思う。
ところが思うところあり、
合唱をやめた。
でも、歌いたい気持ちは大きくなり、
偶然通りがかった私のWSへ、急遽参加された。
彼が言うには、
その時、私に褒められると思って歌ったそうだ。
なのに私は、彼が言うところの、
「ダメだし」をしたらしい。
。。。私としては、レッスンしただけなんであるが。。。
ここから、彼は一人で歌う世界を知り、
自分よりも年下の私の「ダメだし」に、
悔しいながらも、一つ一つ、
挑戦していくことになる。
もちろん、心の中での葛藤は、
私が想像するに余りあるはず。
けれど、彼のすばらしいところは、
自分でもいろいろと勉強する。
歌舞伎も、コンサートも良く足を運ぶ。
テレビや、本から知識を仕入れ、調べ、
スキーをするし、太極拳もする。
納得がいかなければ、
質問する。
今日は、自由に歌わせろ、とも言う。
そして今日、
彼は「からだが繋がった記念日」になった。
今まで不思議だったこと、
もう少し上手になったらできようになる、
と言われていたこと、
が、一つのコトができた途端、繋がった。
「これは前から言われていたと思う。
でも今日、本当の意味でそれがなんなのか、
わかった」
と、涙ぐむのだ。
そう。
歌を歌っていて、うまくなる時って、
このようなことが起こる。
これを「理解度が深まった」と私の門下では言っていた。
彼の心もからだも、
私も、嬉しい瞬間。
そういえば、彼は、
ちょっと前に、今まで出したことのない声が出せて、
歌いながら泣いてしまったことがあった。
声を出すって、こんなにすごいことなのか、
と感動したのだそうだ。
このときの声は確かにすごくて、
私も鳥肌がたっちゃうぐらいで、
私も私の先生と、同じ経験があって、
涙ぐんでしまったんだった。
本当のコトって、すごい。
とても個人的な経験です。
でも、私たちは同じに感じられる。
これは、師弟関係において、
すばらしい醍醐味。
良い時間をありがとうございました。
さて、今日の写真は、
巻き始めの鳴門の渦潮。
。。。ちょっと象徴的な感じで。。。
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